自分の罪とどう向き合ってゆけばいいのか?「償い」の感想・考察
ども、えみちです!
本の感想を読みたい方は↓の下まで飛ばしてください!
私事ですが、、
本の感想ブログと、日記みたいなブログを2つやっていこうと思っていたら日記のほうにかなり時間がとられていました。
大学の勉強もある上に「本をたくさん読む」という目標を持ちながら日記ブログもやっていくのは自分には到底無理だと判断したので、やっぱりこっち一本に集中することにします。
そのかわり、このブログで本や映画と関係ないことも書くかもしれません(・∀・)
という、報告&改めてのスタート宣言でした!
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あらすじ
36歳の医師・日高は子供と妻の死亡に絶望し、自分に失望し、ホームレスとなった。行きついた街で、かつて自分が命を救った少年と出会う。同時に、その町では次々と殺人事件が起き、日高は自分の救った少年が犯人だと疑い始める。
日高が昔犯した罪は「償う」ことができるのか?一度絶望した魂が救われることはあるのか?自分の過去と向き合うことを考えられる感動のミステリー小説。
罪ってなに?
この本の本質は、罪をどう「償うか」ということなのだと思うけど、私はそもそも罪とはなんなのか?ということを考えさせられた。
正義と罪の定義は時代や場所によって変わっていく。戦争で人を殺したらそれは正義。正当防衛で人を殺すのはおっけー。14歳の少年が人を殺しても罪にはならない。
すべては裁判所、つまり人が作り上げている定義なのだ。場合によって罪を問われないなら、本当の罪とはなんなのか?
一方で、容疑者の妻・夕子は、「心を殺した人殺しはなぜ罰を受けなくて済むのか」という疑問を抱いていた。人の心を殺してしまって、その人がもう一生戻れないとしたらそれは大きな罪にはならないのか?
日高は、自分は妻の心を殺してしまっていたのではないかと悩むことになる。
罪とはなにか?本を読んでこれに答えがハッキリ出たわけではないんだ。けど、作者は罰がどうこう以前に「人は変われる」という希望を残したと思う。
どう償うのか?
日高はすべてを失い、自分が最低な人間だったことに気づくと、かつて命を救った少年のことを「自分が唯一おこなった善」として、自身の息子に対するような特別な感情を持つようになった。この時点では、救った少年の存在を見守ることが「償い」であると日高は勘違いしてしまったのだと思う。
しかしその甘い考えは、少年が人殺しに育っていた事実で崩壊してしまう。まさか自分のおこなった唯一の善さえ、悪いことだったのか?
少年を見守ることではなく、本の最後に日高が(殺人犯であった)少年と心を通わせるところで、初めて日高は罪を償えたのではないかと、私は思う。
償いは問題から目をそむいて、過去を忘れ去ることではない。問題を直視して向き合っていくことこそが償いなのだと、この本は言ってるのでは?
まとめ
感想を書くことで、読み終えたときには気づかなかったことが見えることがわかりました。笑
(問題を直視することが償いだなんてまとめ方、考えてなかった)
とにかく、ハッピーエンドでもあるし、前向きになれる本だと思います。自分が過去にしたことに罪悪感があって吹っ切れられない人は、この本に少し勇気づけられるんじゃないかな。
以上えみちでした(´▽`)
他に違った考察などある人はコメント教えてください♪